ふくいの蔵元インタビュー

ふくいの酒はうまい!酒処ふくいの地酒蔵見学記
朝夕めっきり寒くなり、おでんやお鍋、熱燗が恋しくなる季節。というわけで願望を押さえきれず、日本酒をネタに取材開始!
秋の収穫が終わり風が冷たい時期になると日本酒の仕込みが始まる。日本酒造りは寒造りと言われるように寒い時期に仕込まれるのだ。これは大気中の微生物が少ない(繁殖しにくい)ことや、冷蔵設備を持たないその昔、仕込み過程で幾度か必要な「冷まし」(さまし:冷やす作業)を外気に頼らざるをえなかったことなどがその主な理由。そこで今回は、今年も酒造りの始まった勝山にある地酒の蔵元一本義久保本店さんにお邪魔し、日本酒の造り方や種類について取材してきた。

日本酒造りは「米」「水」「人」。



まず原材料となる良質な米と水があること、そして卓越した技術を持つ蔵人が重要な要素とされている。
【米】酒造りに使用されるお米は私たちが普段口にするお米、いわゆる飯米ではなく、酒造好的米と言われるお米が主に使われている。酒造好的米の代表的なものに「山田錦」や「五百万石」といった品種があり、この福井県は「五百万石」の一大生産地で、全国2位の収穫量を誇っているのだ。さらに福井生まれの品種「越の雫」は、「山田錦」の特徴である「柔らかな味」と「五百万石」の「キレ味」という両方のバランスがとれた酒米として評価が高く、県内の蔵元の多くが使用している。

【水】その昔「酒屋が栄えている処は水がいい」と言われていた。福井県は他県と比較しても蔵元の数が多く、また県内各所に点在している。これは福井県には酒造りに適した良質な水が豊富にあるという証拠なのだ。一般にミネラル分の多い硬水で造ったお酒は男性的でおし味があり、しっかりとした酒に仕上がると言われ、その逆にミネラル分の少ない軟水で造ったお酒は女性の肌のようになめらかできれいな酒に仕上がると言われている。

【人】いい米、いい水があってもそれらを活かす「人」がいなければ良い日本酒は造れない。日本酒を造る職人を「蔵人」といい、作業内容によって分業化されている。その蔵人集団を束ねる統率者を「杜氏」(とうじ)という。元来、蔵人集団は南部(岩手県)や能登(石川県)といった地方の農家や漁師などが、酒造りの時期にだけ集団でやってくる季節労働者だった。現在では蔵人の後継者も数が減り、社内育成による杜氏や蔵人も増えてきているのだとか。一本義久保本店さんでは南部から来る杜氏を始めとする3人の蔵人と共に、社員育成の6人の蔵人の合計9名で酒造りを行っている。

う〜ん、米・水・人・・・チョーすごいやん

ふしちょーくん
酒造り

せっかくやから、お酒のつくりかたも勉強するざ!

ふしちょーくん

まず原料となる米を精米し、炊くのではなく蒸す。蒸した米は麹造り、酒母(酵母の培養)、もろみの仕込みに使われる。次に麹づくり、蒸した米に黄麹菌(きこうじきん)を繁殖させて麹をつくる。この麹が造る酵素は、酒母やモロミの過程でお米のデンプンを溶かして糖分にしてくれるのだ。そして酒母造り。蒸し米・麹・水・酵母を加え、糖分をアルコールに変えてくれる酵母を大量に培養するのだ。ここまでくればお酒の素ができたことになる。
できた酒母と蒸し米・麹そして水を入れモロミを造っていく。このとき一度に全てを仕込んでしまうと酵母の増殖が間に合わず、雑菌が繁殖する恐れがある。そのため「段仕込み」と言われる、通常3段階に作業をわける方法で酵母の増殖をはかりながらモロミは仕込まれていくのだ。
その後20日ほどかけて発酵を終えたもろみは圧縮機で搾られ酒と酒粕に分けられる。搾られた新酒はろ過、加熱殺菌をへて貯蔵され出荷の時期を待つという。

日本酒の種類

みんな、日本酒の種類(酒質)ってちゃんと知っとる? これを知ってるとお酒がおいしく飲めるんやざ!

ふしちょーくん

今回、知っているようで意外と知られていない日本酒の種類について表にまとめてみた!

特定名称(酒質)使用原材料精米歩合(注1)純米・アルコール添加
純米大吟醸米・米麹50%以下純米
大吟醸米・米麹・醸造アルコール(注2)50%以下アルコール添加
純米吟醸米・米麹60%以下純米
吟醸米・米麹・醸造アルコール60%以下アルコール添加
純米酒米・米麹(麹歩合15%以上)制限なし純米
本醸造米・米麹・醸造アルコール70%以下アルコール添加
普通酒
(上記の製法以外の清酒)
米・米麹・(醸造アルコール)制限なし純米系・アルコール添加系の両方がある

注1:精米歩合
白米の玄米に対する重量割合をいう。精米歩合60%の場合は、玄米の外側40%を削り、中心部分60%を残したものを差す。つまり、お酒の原材料として、米の中心何%を使ったかということ。
注2:醸造アルコール
デンプン質物質(米・トウモロコシ等)や含糖質物(サトウキビ・砂糖精製後の副産物等)から醸造されたアルコールを、更に95%エタノールにまで蒸留したもので、焼酎甲類やスピリッツと同類。大吟醸などの芳香成分は、アルコールには溶け込むが水には溶け込まないため、モロミを搾る前に少量のアルコールを足すことにより、醸した素晴らしい香りをより酒に残すことが出来る。アルコールを足さないと、芳香は酒粕に付いていってしまう。また口当たりもすっきりとキレのある味になることや、日本酒の香味を劣化させる特殊な乳酸菌の増殖を防止する効果も大きい。アルコールを添加すると聞くとあまりいいイメージではありませんでしたが、取材をして目からウロコの内容でした。

精米歩合によって大吟醸・吟醸・本醸造等に分かれ、モロミを搾って酒と酒粕に分ける前に醸造アルコールを添加するかどうかで純米系・アルコール添加系と分かれるのがこの表の大きな見方。一般的に純米系はうま味の深いタイプ、醸造アルコールを添加したものはスッキリとした味わいのタイプといわれている。また同じアルコール添加酒でも精米歩合の大きい本醸造は味わい深く、精米歩合の小さな大吟醸は香り高く、味がきれいなタイプと言われる。
では、どんな料理にどんな酒質のお酒が合うかも聞いてきた!
味わいの濃い料理には本醸造や純米酒など比較的味のあるお酒がお奨め。淡白な白身魚の刺身などには吟醸系のサラッとしたお酒が合うのだとか。ただし味覚の嗜好にも個人差があるので、自分の舌に聞いてみよう。

想い

最後に、酒造りをする上で、一本義らしさを大井さんに聞いた。
「"酒は食と共にあってなお、酒も食も花開く"という事を念頭においています。日本酒は食事と一緒に供される食中酒であり、そうあり続けたいと考え、一本義は『あと口のキレの良さ』を、どの商品にも大事な特徴としています」。
■インタビュー:一本義久保本店 醸造課係長 大井氏
社員蔵元として製造を担当。蔵では「頭」(かしら)を担当し杜氏の補佐役として製造工程や蔵人の管理を行う。

でしゃばらない酒…チョーかっこえぇのぉ

ふしちょーくん
酒蔵見学受付中!

今回取材させていただきました一本義久保本店さんでは、年間を通して酒蔵見学ができるということです。ご希望の方は事前に予約していただきお越しくださいとのこと。
【予約・お問合せ】
(株)一本義久保本店 福井県勝山市沢町1丁目3−1
電話0779-87-2500(代)
FAX 0779-87-2504
ホームページ http://www.ippongi.co.jp
見学可能日時 平日の午前9時〜午後4時(繁忙期は対応できない場合があります)
見学料 無料

日本酒造りの奥深さにチョー驚きやわぁ!チョーおもっしぇえから、ぜひいっぺん行ってみてんでの!

ふしちょーくん
ゆとりトップへ
You Are Here
特集1 冬のおいしいもの 〜海の幸の王者 越前がに〜
  • 越前ガニとは・・・
  • 冬の幸を味わえるお店
  • 調理の仕方、教えます
特集2 福井の地酒
  • 福井市の地酒 飲み比べ
  • 利き酒ゲーム